「辞は達するのみ」── 言葉は相手に伝わることが大事

辭達而已矣(辞は達するのみ) ブログ

鈴木将仁まさひとの好きな言葉、座右の銘に「辞は達するのみ」というものがあります。『論語』に残された孔子の教えですが、「言葉は相手に意味が伝わることが大事である」という意味になります。

これは[「編集」とは難しいことをやさしく伝える仕事]で鈴木が書いてきたことに通じるものでもあります。

看板には店名ではなく、商品名を書く

なぜいきなり看板の話?と思われるかもしれませんが、これも相手に伝えるべきことをちゃんと伝えるという話です。

例えばあなたが喫茶店のオーナーで、「ウチではおいしいケーキを出していますので、ぜひ食べに来てください」ということをお客さんに伝えたかったとします。

そこで大きな看板を作って、お店の名前「Le Petit Plateau(フランス語で “小さなトレー” の意)」と書いたとします。ちょうど下の画像のような感じで。この名前はあなたにとって、とても思い入れのある店名です。

「Le Petit Plateau」の看板

ところが、この看板を見ただけでは、お客さんはこのお店が何のお店かわかりません。なぜかというとフランス語が読める日本人はそれほど多くないからです。また読めたとしても「小さなトレー」では何屋さんかはっきりしません。

ここは店名の「Le Petit Plateau」ではなく、商品名の「ケーキ」や「コーヒー」と書くべきです。それも「cake」ではなくカタカナで「ケーキ」です。ドラッグストアで【薬】と大きく書かれた看板を見たことがあるかもしれませんが、あれが正解です。

「え〜、そんなことしたらお店のイメージがこわれちゃう……」と思うかもしれません。

同じことが日常のコミュニケーションでも起こっています。例えば自分を威厳あるように見せようとしてわざわざ難しい言葉を使う人とか、情報通であることを見せつけるためにカタカナ語をたくさん使う人とか。いずれも自分のイメージを作ることを優先して、相手に伝えることを二の次にしている例です。

「辞は達するのみ」には、もうひとつの意味があるといいます。それは「言葉は意味さえ相手に通じればそれで十分だ」、つまりそれ以上の装飾はいらないというものです。

少々長くなってしまいましたが、鈴木の伝えたかったことはちゃんと伝わっているでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました